大会長挨拶
この度、第15回日本音楽医療研究会学術集会の大会長を務めさせていただく、東京都立産業技術大学院大学の佐藤です。
今回の大会テーマは「今改めて音楽療法のエビデンスを問う」です。医学の進歩は日進月歩です。音楽療法においても例外ではありません。この10年、認知症やパーキンソン病、失語症などにおいて、新たな展開がみられました。
大会テーマについてのシンポジウムでは、音楽療法が用いられる代表的な疾患・症候について、各領域に造詣の深い先生方からエビデンスの現状についてご紹介いただきます。会員の皆様の知識のブラッシュアップに役立つだけでなく、臨床上での新たなヒントを得る機会となることと思います。
会長講演では、「音楽的要素を用いた失語症訓練:メロディックイントネーションセラピー」と題して、失語症に対する有効性が確立していながらも、本邦では未だ用いられることの少ないメロディックイントネーションセラピーについてお話いたします。同法は、音楽療法士が言語聴覚士と協力することにより、両方の資格を有する方が、大きく貢献できるものだと、私は考えています。また、ミニレクチャーとして、学会発表のノウハウについて説明します。
最後に、新型コロナウイルス感染症の拡大防止を図るために、昨年に引き続き本大会はWEB開催にさせていただきます。WEB開催は、臨場感に物足りなさを感じる一方、リアル開催では参加できなかったであろう遠方の方々が、それこそ沖縄から北海道まで参加してくださいます。それはそれで、新たな可能性の発掘と言えます。
多数の皆様のご参加をお待ちしております。
東京都立産業技術大学院大学 認知症・神経心理学講座
特任教授 佐藤 正之